剪定は木や枝を何でも切ればいいって事はありません。
昔ながらの春日井市の庭師職人さんは今でも枝を切るという
表現よりも枝を落とすと表現します。
技術を上げる事も必須ですが木をいたわる心も大切にしないと
腕のある剪定職人にはなれません。
それらを言われずとも感じ取れる良い親方さんに出会い
吸収してしていくべき道を生涯精進しながら沢山の壁を乗り越え歩んでこそ
庭師という職業に惚れた職人の宿命だと思います。
お客様のほとんどが個人邸です。
個人邸メインの造園会社は少なくなっているのが現状ですが
時代の変化に合わせて大小とこだわらず庭に生きている
和洋、木全般のお手入れ、庭の管理をしています。
庭木の環境や種類 予算や好み等で剪定方法や剪定回数などで
お庭の管理、木のお手入れが変わります。
時には越境している木や鬱蒼としている庭木の数を減らして
お庭の管理をし易く伐採を勧める時もあります。
自然風剪定、果樹剪定、松の剪定、枝打ち剪定、透かし剪定
様々な剪定法がありますが
一番大切なのは環境や状況に合わせた臨機応変さです。
松の剪定も毎日していると寝る時に目を閉じると松が目に浮びます。
夢で松を剪定している時もあります。
「春透かし 樫濃くなりて 秋透かす」
枝を伸ばしながら年に2度、葉透かし剪定するとカシも暴れないですよ。
樹勢が強くてアっという間に大きくなります。
玄関前のシンボルツリーにするよりもスペースがある場所に植えるのがおススメです。
ラカンマキより葉が長いイヌマキは刈込むより透かして
自然風に剪定して樹形を整えたりもできます。
大きくなった金木犀を中から枝を抜いて透かして
上手く中にある緑を残してサイズを小さくしました。
年数が経ったり刈込過ぎると刈れたりします。
生垣も時代によって流行りが移り変わりします。
最近は洋風の家に合うレッドロビンが多いです。
剪定と古い葉を落として光が通る様になりました。
お隣との境にレッドロビンを植栽して、庭に小さな生垣を作りました。
寂しかった壁の風景に緑があると心が安心します。
マグノリアで売られていたりします。
春に咲く花を愛でる前に大きな蕾が北に向くコンパスフラワーも、お楽しみにして下さい。
植木で覆われていましたが
全体的に剪定をして
防犯効果もあるように庭が見える様にしました。
座禅には「只管打坐」という言葉があります。
ただひたすら座るという一つの事に奥深い意味があります。
剪定をひたすらに修行をして木をただ切るの仕事ではなく
本来自然の中に育つ木を人と共に共生する為に
精進したいと思います。
「手は精神の出口」という言葉を聞いた時に
何だか良い気持ちがして調べると刺繍の先生の教えだと知りました。
人の手から気持ちが出て表現される
手と心は繋がっているから剪定もそうだなと思いました。
体は衰えてきますが技と心を伸ばす努力は怠らないように精進です。
ここまで長文を最後までお読みいただきまして、ありがとうございます。
今後ともせせら樹ならびこれから育つ庭師職人達を
末永くご愛顧賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。
せせら樹代表 庭師職人一同